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銀河のアリランレース回航記　　　　　　　　　　　　　　　　　悠愛丸）石塚

２００５年　４／２１～４／３０
七ヶ浜小浜港から韓国釜山ヨットハーバーまで

４月２１日　木曜日
１０：００　「銀河」、小浜港を出航。
　　　　　　２０日に出港予定だったが、雨模様の前線通過を待って出発した。乗員は我妻（セイル
　　　　　　ヨット）、遠藤（バーネット）、相澤（青葉）、石塚（悠愛丸）の４名。　※敬称略。
　　　　　　我妻以外は最近のリタイア組である。エンジン快調・８ノット。南風の機帆走で沖出しす
　　　　　　る。４名でのウォッチ体制を決める。一人２時間のウォッチで６時間の休憩。当然のこと
　　　　　　ながら４人揃っての乾杯は最初のピール１本だけ。ウォッチは先ず相澤さんからスター
　　　　　　ト。石塚、我妻、遠藤の順とした。

　　　　　　出航を待つ銀河

２０：００　いわき沖通過。

４月２２日　金曜日
０６：００　犬吠埼（銚子）沖を通過。陸地が視認できた。
１３：００　千葉県勝浦港を最初の入港地と決めた。遠く前方にヨットを発見。勝浦港入港の様子。
　　　　　　だいぶ距離はあるが、このヨットを勝手に水先案内と決め、後姿をウォッチする。
　　　　　　水先案内がセイルダウンするのを確認しながら勝浦港にアプローチした。
１５：００　勝浦港入港。
　　　　　　意外と大きな漁港である。港内ウォッチのために二周りする。
１５：３０　先着していた水先案内艇の隣に着岸する。たくさんの流れ藻、ゴミが気になったが舫を　
　　　　　　とった。艇の片付け、給油完了。
　　　　　　水先案内は茨城の船で自作艇とのこと。小笠原を目指すそうである。
　　　　　　夕食は上陸して豪華に、と言いながら、銀河に生ものが沢山積んであったため、結局外出
　　　　　　は中止して艇で乾杯した。
　　　　　　食後、一休みして風呂に行った。レジャーランドで水着着用（レンタル）、一人　　
　　　　　　１，８００円と高かった。

４月２３日　土曜日
０６：００　勝浦港を出航。
　　　　　　お隣さんは小笠原を目指して先に出航していた。
　　　　　　昨日の流れ藻、ゴミはすっかり流されていて、艇のまわりは嘘のようにきれいになってい
　　　　　　た。
１０：００　房総半島の先端（野島崎）に近づいた頃、手前の陸地に雲かと思っていたものがハッキリ
　　　　　　してきて、富士山と判った。非常に素晴らしい眺望だった。
　　　　　　房総半島の先端
１１：００　房総半島をかわした。順調な機帆走。一路相模湾を横断して伊豆半島を目指す。
１６：００　伊豆大島北側を通過。
　　　　　　前方、真横一線を境に海の色が全く異なっているのを発見。初め潮目かと思ったが、程な
　　　　　　くそれがブローラインと判明。かなり強い西風に突入した。
１８：００　伊豆半島、稲取岬沖を通過。
　　　　　　西風はますます強まる。
１９：００　下田沖を通過。
２１：００　神子元島・石廊崎沖を通過。

　　　　　　西風と三角波でかなり難儀した。スプレーを浴びてずぶ濡れとなった。

４月２４日　日曜日
　　　　　　駿河湾の日出

ＡＭ　　　　駿河湾横断、西風はすっかり収まった。

　　　　　　御前崎をかわし、遠州灘沖を順調に機帆走。

１２：００　浜名湖沖を通過。

１５：００　伊良湖水道を横断して、大王崎をかわした。

２４：００　潮岬（串本町）を通過。

４月２５日　月曜日

０５：００　和歌山県田辺市沖通過。順調に機帆走。

０８：００　日ノ御埼沖通過。四国がぼんやり見えてきた。

１１：００　和歌山マリーナシティヨット倶楽部入港。

　　　　　　先ず給油。次に一昨日から気になっていたエンジンの異音のチェックである。我妻さんが
ダイナモの交換を行い、更に潜ってスクリューを点検したところ、細い魚網がからんでい
た。

　　　　　　和歌山マリーナシティヨット倶楽部は大変立派なヨットハーバーである。１泊７，０００
円。奥にホテル、マンション、ヨーロッパ風のテーマパークがあり、クラブハウスには磨
き上げられたＡ級ディンギーが飾られていた。
一通り作業を終えた後、ハーバー隣の紀州黒潮温泉でしっかり汗を流し、のんびりするこ
とができた。今回も外食はせずに艇の中で大宴会を実施した。
鳴門の渦潮を乗り切るため、時間調整の上、夜中の１２時出航予定として早めに休んだ。

４月２６日　火曜日

００：３０　和歌山マリーナシティヨット倶楽部出航。

０４：００　まだ暗い中、大鳴門橋（淡路島と四国鳴門市の間）の下を通過。

０８：００　右手に小豆島を見ながら、瀬戸内海の風景を楽しむ。

１１：００　瀬戸大橋（岡山県倉敷市と四国板出市の間）の下を通過。
１階がＪＲ、２階が瀬戸中央自動車道。ＪＲの列車がミニチュアみたいで楽しかった。本
州と四国を結ぶ大きい橋が全て見える素晴らしい景観であった。
瀬戸大橋

１５：３０　来島海峡通過。

　　　　　　西へ流れる潮流に乗り、１４ノットぐらい。速い！　そして渦潮がすごい！！
来島海峡渦潮

１８：３０　松山市沖通過。

　　　　　　松山空港への発着の飛行機が、低空飛行をしているのが頻繁に見えた。

　　　　　　西陽により、夕焼けがとても美しい。

２１：００　タンカー、フェリーの行列。対向する船はどうってことないが、後ろからの大型船の追い
越しは不気味であった。間近に近づいて来ると、本当にこちらを認識してくれているのか
と思うと怖くて右へ大きく転舵をしてしまった。

２３：００　四国佐田岬沖、伊予灘を通過。
明朝の下関海峡の潮を考えると、時間調整が必要。６ノットにスピードを落とした。

４月２７日　水曜日

０５：００　大分県姫島沖通過。

０９：００　関門海峡の入り口で潮待ちのため２時間ぐらいのんびり艇を動かした。我妻さんは昼寝。

１２：００　関門海峡通過。
関門海峡通過

　　　　　　下関市と北九州市がこんなに近いとは驚きであった。それだけ海峡が狭い。まるでタン
カーの競馬を見ている様な心境になった。

１４：３０　西風強まる。大島、地ノ島の間を通過。

　　　　　　下関と福岡の中間点ぐらい。なんとか明るいうちに博多港に入港できそう。

１６：３０　地震の被害の大きかった玄海島と志賀島の間を通過。
正面に福岡ドームが視認できた。釜山からか、あるいは対馬からか判らないが、カーフェ
リーが追い越して行った。
福岡港と福岡ドーム

１７：００　能古島横を通過。釜山発高速船「ビートル」が追い越して博多港へ入港して行った。

１８：００　西陽に博多の街が美しく映えるなか、西福岡マリーナへ無事入港した。

　　　　　　艇の片付けをして、今晩も艇の中で夕食とした。夕方、言葉を交わした艇にお酒（日本
酒）を届けたら牛肉の差し入れを頂き、合流して銀河で宴会をやることになった。
その艇の名前は「能楽者（ノウラクモノ）」で、７０歳の夫婦でアリランレース参加との
こと。末松さん
夫妻は二人で最近も沖縄クルージングをしたそうです。６人で大変楽しい会話を交わしました。

４月２８日　木曜日
　　　　　　終日、西福岡マリーナ滞在。
１１：３０　小林さん（エスポワール）合流。
ＰＭ　　　　「スエコ」入港。銀河と同型艇。日本での第一号艇とのこと。ご挨拶し、それぞれ自己紹
　　　　　　介。「スエコ」は西宮ヨットハーバー所属。
　　　　　　夕方、付近のレストランで豪華な食事会を５人で実施。

４月２９日　金曜日

１１：００　相澤さん、飛行機で帰仙。

１２：３０　西福岡マリーナを「スエコ」と前後して出航した。
　　　　　　釜山に向け出航

１６：００　視認できなかったが左手に壱岐島通過。

　　　　　　その後、右手に沖ノ島が西陽に美しかった。「スエコ」とはずっと前後しながら機帆走で
マッチレースの様相であった。

２１：００　「スエコ」の船尾灯を視認した。イカ釣り船と思われる漁船の集魚灯が至る所で強烈に
輝いていた。

２３：００　対馬に近づいたと思われるが、視認できなかった。

４月３０日　土曜日

０３：００　あたり一面濃霧で全く見えなくなってしまった。艇内で我妻さんがレーダーで監視。

０４：３０　本船の汽笛が意外と近くで響き渡った。小さな漁船もレーダーで確認できた。意外と釜山
に近づいている模様。

０６：００　前方にビルの上のクレーンが突如現れた。だいぶ霧がとれてきたが、上の方だけ。ビルは
建築中の高層マンションであることが理解できる様になった。間もなく高速道路の橋が見
える様になり、霧が薄れてきた。

０６：３０　ヨットハーバー入港。

　　　　　　堤防の先端で兵士が怒鳴っていた。後で気づいたのだが、国旗掲揚を失念していた。
桟橋に係留後、兵士に質問された。
「スエコ」は１５分前ぐらいに着岸したとのこと。
釜山ヨットハーバー